
ウェットスーツとドライスーツの違いは、ひとことで言えば「濡れるか、濡れないか」です。とはいえ実際には、この季節はどちらを着るのか、レンタルでいいのかと迷う場面が出てきます。長野から日本海や伊豆へ通う場合は、行く時期によって水温がかなり変わるため、この判断がそのまま快適に潜れるかどうかに直結します。この記事では、2つのスーツの構造の違いと、季節ごとの選び方の考え方を整理してご紹介します。
ウェットとドライは、保温のしくみがまったく違います
見た目は似ていても、この2つは体を温める理屈がそもそも別物です。ここを理解しておくと、季節ごとの選び方も自然と分かってきます。
ウェットスーツは「入ってきた水」で温める
ウェットスーツは、生地と体の間に薄い水の層をつくり、その水が体温で温まることで保温します。つまり、水が入ってくること自体は前提の構造です。生地の厚さは3mmや5mmなどがあり、厚いほど保温力は上がりますが、そのぶん動きにくくなり、浮力も増えます。着脱がしやすく、扱いがシンプルなのが大きな利点です。
ドライスーツは「水を入れない」構造
一方のドライスーツは、首と手首の部分をシールでぴったり閉じ、スーツの中に水が入らないようにしています。中は空気の層とインナーウェアで保温するため、水着の上ではなく、専用のインナーや普段着に近い服を着込んだ状態で潜ります。海から上がったときに体が濡れていないので、寒い時期の水面休息や、着替えの負担がまったく違います。
▶ 「セミドライ」という中間タイプもあります
ウェットスーツのうち、首・手首・足首のシールや防水ファスナーで入ってくる水の量を抑え、保温性を高めたタイプは「セミドライ」と呼ばれます。名前にドライと付きますが、構造としてはウェットスーツの仲間です。水が完全に入らないわけではないので、ドライスーツと同じつもりで選ぶと寒く感じることがあります。
季節でどう選ぶ?長野から通う海の場合
スーツ選びは「何月に、どの海に行くか」でほぼ決まります。長野から通える日本海側(新潟・富山)と伊豆方面では、同じ月でも水温の感じ方が変わります。
夏から初秋は、ウェットスーツが基本
水温がいちばん上がるのは夏から初秋にかけてです。この時期はウェットスーツで快適に潜れることがほとんどで、初めての海洋実習もこの季節が入りやすくなります。ただし、水面付近は暖かくても、水深が深くなると水温が下がることがあります。何本も潜る日は、フードベストを1枚足すだけでも体感がかなり変わります。
春先と晩秋は、いちばん判断が分かれる時期
気温が上がってくる春先は、水温が気温に少し遅れてついてきます。「もう暖かいだろう」と夏と同じ装備で行くと寒い思いをしやすいのが、この季節です。逆に晩秋は、気温が下がっていても水温はまだ残っていることがあります。この時期はセミドライやドライスーツが選択肢に入ってきますので、当日の海況を見て決めるのが確実です。目安としては、水温が20℃を下回るとウェットスーツでは寒さを感じやすくなり、10℃前後まで下がる冬の海はドライスーツの領域になります。
冬はドライスーツが基本になります
冬の海はドライスーツが基本です。6.5mm(通称ロクハン)や7mmといった厚手のウェットスーツで冬に潜る方もいらっしゃいますが、体を冷やさずに何本も潜ることを考えると、ドライスーツを選ぶ方が多くなります。冬ならではの海の楽しさについては、冬でもダイビングはできる?ドライスーツで楽しむ冬の海の魅力で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
なお、水温は年によっても海域によっても変わります。ここで挙げているのはあくまで季節の傾向ですので、実際に何を着るかは、参加される日の海の状況に合わせてご案内しています。迷ったときは事前にご相談ください。
ドライスーツは浮力の扱いが変わります
ドライスーツを初めて使う方に、いちばんお伝えしたいのがここです。ドライスーツにはスーツの中に空気が入るため、給気と排気のバルブが付いています。潜行するときは中の空気が圧縮されてスーツが体に張りつき、浮上するときは逆に膨らみます。浮力の調整は基本的にBCDで行い、スーツの中の空気は体が締めつけられない程度に保つ、という使い分けになります。
気をつけたいのが、足の方に空気がたまってしまうケースです。頭が下、足が上の姿勢になると空気が足に集まり、自分では抜けなくなって、そのまま浮き上がってしまうことがあります。急な浮上は体への負担が大きいので、そうならないための姿勢の作り方と排気のタイミングは、最初に必ず練習しておきたいところです。慣れてしまえば難しい操作ではありませんが、初めてドライスーツを使うときは、必ずインストラクターと一緒に水中で確認してから潜り始めてください。多くの指導団体にはドライスーツ専用のスペシャルティコースが用意されており、空気の管理や浮力調整に加えて、スーツの種類や日常のメンテナンスまで学べます。
レンタルか購入か、長野から通う人の視点
もうひとつ、海なし県から通うからこその判断材料があります。それが「持ち運び」です。
長野から海へ向かうときは、車に器材を積んでの移動になります。ドライスーツはウェットスーツよりかさばり、たたんでも荷物としては大きめです。また、ウェットスーツは帰りに濡れたまま持ち帰ることになるため、車内の置き場所も考えておく必要があります。年に数回のペースであればレンタルを使い、通う回数が増えてから自分に合う1着を選ぶ、という進め方も現実的です。
スーツはサイズが合っているかどうかで保温力が大きく変わります。体に対して緩いと水がどんどん入れ替わってしまい、厚い生地でも寒く感じます。購入とレンタルの考え方については、ダイビング器材は買うべき?レンタルで十分?でも解説していますので参考にしてください。
スーツ選びに迷ったらマハロへ
マハロは長野県のダイビングスクールとして、日本海や伊豆へのツアーをご案内しています。少人数制でご案内していますので、「この時期はどれを着ればいいのか」「ドライスーツを試してみたい」といったご相談も、その方の経験や寒さの感じ方に合わせてお答えできます。オンライン学科に対応しており、これから始める方も無理のないペースで進められます。コースの内容はコース一覧をご覧ください。
ご相談は、お電話(070-6551-4144)、お問い合わせフォーム、LINEのいずれからでもお気軽にどうぞ。海の状況とご希望をうかがって、その日にいちばん快適に潜れる装備をご提案します。










